企業目線だけではなく、顧客目線でのモニタリングシートの項目作成時にお役立てください。たとえば、自社モニタリングシートのスコアが100点でも、どうも顧客側が満足していないような気がする…などのギャップが生じている場合は、モニタリングシートを見直すべきです。
■前提
以下のサンプルシートにも記載しましたが、まずは顧客がどのような要望や背景をもって電話をしてきているかを必ず明記してください。センターには基本的に「普通の問い合わせ」「いわゆるいつものやつ」と言うコールは1本もありません。
■構成
3構成を推奨します。コミュニケーションスキル、ビジネス上のゴールやミッション、守るべきルールの3つです。
1)コミュニケーションスキル
こちらの項目ですが、顧客目線で捉えてどうだったか、と言う判断をしていきます。なおこれらを正確に把握するために、カスタマーエモーショナルマップを活用することを推奨します。(カスタマーエモーショナルマップは後日解説します)ここは会社としてのあるべき論で評価するというより、前提において導き出した顧客の事前期待や背景、要望に即して評価していきます。
例えば解約の電話。コールリーズンは単なる解約です。それだけではもう不足しています。顧客の話や様子から「これまでの不満が募り解約」なのか「わからないことが多く解約」なのか「料金が高く不安なので解約」なのか1本1本異なります。これを正確に把握しなければ、いつまでたっても顧客目線でのモニタリングは出来ません。
2)ビジネス上のゴールやミッション
これは会社目線で評価します。コールセンターにおけるビジネス上のゴールは電話に応答することだけではないはずです。お問い合わせをしてきたお客さまに何をすべきですか?通販など営業的なセンターではない場合、これが不明瞭なセンターが少ないのが実情です。別途生産性KPIやサービスレベルは設定されていると思いますが、数的なゴールではなく、実務面でのゴールやミッションを考え、評価項目を設定してください。
3)守るべきルール
こちらも会社目線で評価します。コミュニケーションスキルに長けていて、ビジネス上のゴールも達成している、しかしルールが守られていないのでは話になりません。ここは応対するうえで外せないルールについて項目設定します。これまでコミュニケーションスキルの中に入っていたであろう言葉遣いなどについてはもう「当たり前に守るべきこと」なので、細かな項目分けをせず、一つの項目にまとめて良いでしょう。
■モニタリング方法
顧客目線でのモニタリングを実現するため、1回目のモニタリングは徹底的に顧客側の話に集中して聴くことです。2回目に会社目線、3回目で総合評価。それ以上はモニタリングしないようにしてください。
■モニタリングシート サンプル
項目は例ですが、ご活用ください。ぜひ顧客目線でのモニタリングを実践するためのきっかけにしてください。