insight's diary

インサイト大西です。不定期更新です。よろしくお願いします。http://insightcorp.jp

クレーム対応の常識が変わりつつある

コンタクトセンターでのクレーム対応については、私自身もオペレーター時代から今の今、本日まで、20年ちょっと、ずっと変遷を見てきました。20数年前は自分自身がオペレーターとして四苦八苦、初めの頃は泣きながら対応していましたが、今は会話を分析して、どうすべきだったか、次回以降はどう対処すべきか、SVさんたちがなるべくうまく対応できるようアドバイスすることに腐心しています。年間数百本のクレーム対応コールを聴いて分析しています。

さて、クレーム対応と言えば…

  • 話をよく聴く
  • 共感する
  • 謝罪する

などが定番ではありませんか?私も昨年くらいまではこれらの内容も伝えておりました。しかし、昨年くらいからでしょうか、ちょっとクレームを言ってくるお客さまの潮目が変わった、というか、これまで通りの対応では立ち往生するようになってきました。特に、共感です。

  • 共感する→共感すると、「わかるなら俺の主張を通せ」と逆効果

以前の「共感」ですが、「共感」スキルをこれまで高めてきた我々は、結構この1年苦しんだな、と言う印象を持っています。

共感の代わりに「受容」することを提案します。

<例>

お客さま「こんなこと普通はありえないだろう、だから返金しろよ」

これまで「ご不快な思いをさせてしまい(共感)申し訳ございません(謝罪)。」

これに加えて非言語的コミュニケーションとして心を込めて抑揚をつけて伝える、というのが通常でした。

これから

パターン1

「(1)返金をすべきであるとお考えですね。(2)誠に恐れ入りますが、返金することはできません。(3)申し訳ございません。」

パターン2

「(1)さようでございますか。(2)ご返金することが出来ればよいのですが(斟酌)、あいにく承ることが出来ません。(3)申し訳ございません。」

 

(1)は受容です。共感していません。肯定も否定もしていません。そういう考えなのですね、受け止めました、ということをフィードバックします

(2)は事実伝達です。クッション言葉などを使い、冷たくなり過ぎないように気を付けます。パターン2のほうでは、より斟酌する言葉を添えています。

(3)当然ですが、謝罪は必要です

 

切り替えがうまくいかないかもしれませんが、ぜひチャレンジしてみてください。なお、お客さまタイプにより、上記すべてが良いわけではありません。お客さまのお話しを良く聴いてご判断ください。

なお、悪質なクレームについては、企業側から電話を切りましょう。礼儀正しく毅然と、失礼のないようにすることが重要です。

団塊世代から50代へとクレーム顧客が変化してきました。この変化は大きいと思います。また気になることがありましたら記事にします。

※当社はクレーム対応のみの研修、コンサルティングは基本的にお引き受けしません。あくまで、QAやSV育成の一環として承ります。

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