症状⑥お客さまの話にかぶせてしまう/さえぎってしまう
禁止事項として取り上げられてはや20年くらいの「かぶせ」「さえぎり」ですが、一向にやめないオペレーターもいます。でも不思議と、なぜ「かぶせ」「さえぎり」が良くないか、ご存じないオペレーターも多々。改めて説明します。
なお、「かぶせ」「さえぎり」には、良いものもあります。それはまた次回として、今日は「悪い」ものについて説明します。
※一応定義します
「かぶせ」は、お客さまがお話をしているのに「かぶせ」て一緒に話してしまうこと
「さえぎり」は、お客さまがお話をしているのを「さえぎって」自分が話を一方的にすること
<なぜ直す必要があるのか>
他人が話しているのにかぶせたり、さえぎったりして 何かを伝えるシーンはほぼ「口論」「議論」など、争いのシーンで白熱しているときです。または、相手に火をつけるために話をさえぎって「ちょっと待て」というような雰囲気を作るときに自然に出るものです。これは誰に教えられるものでもなく、たぶん人間なら自然にやること。ご自分がケンカや議論をしているときのことを思い出してみてください。思い浮かばない穏やかな方は、映画やドラマの口論のシーンなどを思い出してみてください。つまり「宣戦布告」の証です。それをお客さま対応で、企業側が行う必要がありますか?たぶん、基本的には迷惑顧客以外にはないはずです。
<要因>
- KPIに縛られて、オペレーターは早く会話を終わらせようとしている
- オペレーター側からすると幾度となくされている質問で、お客さまの質問をすべて聞かなくてもわかってしまうため良かれと思い先に回答する
- せっかち、早合点な性格
<お薬>
- 顧客にとってもオペレーター側にとっても悲劇です。かぶせやさえぎりで絶対にトークタイムは短くなりません!そのことをまず会社側(QA含む)がしっかり理解して、品質定義からやり直してください。
- 顧客視点の欠如。辛抱強く聴くことです。「またあの質問だろう」「いつものか」という気持ちは、お客さまに対してではなく会社にフィードバックして、その質問が来ないようにするための根本的解決を目指しましょう。そちらにパワーシフトして、お客さまに当たらないように。
- お口にチャックできる方法を見つけましょう。考えるよりも先に口が出てしまう人が多いはず。その性格や思考は直せませんが、顧客対応時の習慣としては直せるはず。一つの例として、思いついたら口に出さないため、口をきちんと閉じておく、というのも一案。(以外に口をぽやんと開いて対応している人も多いです)また、口に出す前に、手元メモに書き出して話すのをちょっと我慢する、などという方法もあります。実はこれは私自身、オペレーターの時にやっていました。思考がくるくると巡ってしまい困っていましたが、メモに先にアウトプットすることでお客さまの話を慎重に聞くことができました。そうです、私はせっかちです。
ちなみに、私自身が一顧客としてどこかに電話したときにかぶせてくるオペレーターさんには、その癖を直していただきたいので「必殺・かぶせ返し」の技を披露します。オペレーターさんとずーっと一緒に話します、オペレーターさんが話をやめるまで。あんまりやらないようにしていますが…つい3日前も披露してしまいました。ごめんなさい。
次回はよい「かぶせ」について、説明します。