以下は、ボイスチャネル(電話)の応対品質管理について言及します。
テレワークにおける応対品質管理ですが、これまでのオンサイト運営同様にモニタリングを必ず実行してください。
コールセンターの商品は応対そのものです。そのため、品質管理をせずに顧客との応対をオペレーター、エージェント任せにしていることは、本来あってはならないことです。もちろん100%のモニタリングは難しいですが、品質管理の体制有無は長期的な応対品質を左右します。このような品質管理をせず、顧客からの応対に関するアンケートやNPSのフィードバックだけでその応対内容を評価することはあまり推奨できません。
これまではモニタリングの頻度が多少低かったとしても、オペレーターが応対している声や様子を目で見たり、漏れ聞こえてきたりはしたはずです。もちろん品質管理としてはそれでは不足していますが、数パーセントは役に立っていたはず。それが全くなくなりますので、本来オンサイト運営でも重要タスクであるモニタリングを実行するための体制を整えざるを得ないのです。
実行するにあたり、以下2点のポイントを考慮していただきたいと思います。
①テレワーク環境のゴール設定と適切なシステム導入
まず、システムはモニタリングが出来る環境、通話録音ができる環境、いわゆるオンサイト運用と同じ体制を整えてください。今はこちらの部分に注力されているセンターも多いでしょうし、様々なウェビナーが開催されています。
この時に、貴社のセンターがどのようなテレワークの環境や体制を作りたいのか、作るべきなのかのゴール設定を必ずしてください。他社事例から学んでも良いでしょう。しかし、自社の環境がどうあるべきか、コロナ禍で顧客のサービスレベルをどうするのか、そのような中でどのレベルのサービス品質を担保すべきか、ということをまずしっかりゴール設定してから応対品質管理を進めてください。
②モニタリングリソースの確保
SVがモニタリングをきちんとできる環境を整えてください。多くのコールセンターSVは本来SVがすべき業務以外のタスクを抱えすぎています。
SVの役割は以下の3つであるとかねてから考えています。
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コール品質保持・向上のためのマネジメント
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オペレーターの育成・人的マネジメント
- センターの効率的稼働のためのマネジメント
これらはテレワークになっても何ら変わりありません。むしろテレワーク環境下では、これらの3つをメインにできるよう、SVの業務整理を積極的にマネジメントがSVと共に実行してください。SV業務の棚卸をして、どのような業務を実行しているのかの整理、優先順位を付けて業務を割り振る等の管理が先です。SVの業務を把握しないまま、すべてをテレワーク、または一部テレワークにした場合の応対品質管理には、長期的に歪みが出て、結果的に経営にまで悪影響を及ぼす可能性もあります。応対品質管理は短期的に悪影響が出にくいですが、長期的には深刻な問題を起こす可能性が高いことを改めて認識していただければと思います。
※現時点ですべきことという観点で記しています。今後品質管理についての具体的な内容は追記していく予定です。