insight's diary

インサイト大西です。不定期更新です。よろしくお願いします。http://insightcorp.jp

<Site tour report>Dialogue Direct社見学

I have visited Dialog Direct on Oct 25. The tour was impressive. Below report were written in Japanese.

少しずつ、ICMI@Dallasツアーの報告をしようと思います。

初日は、サイトツアー。午前、午後と行ってみたい企業を1社ずつ、計2社まで選択できます。当日選択するのではなく、事前希望を出して、場合によっては抽選、ということになるようです。

まずDialog Direct社を訪問しました。一言で簡単に説明すると、いわゆる「アウトソーサー」です。いくつかUS国内に拠点がある中の一つで、”私たちは割と小規模なの、約5000人のエージェントだからね”と本気で仰っていたのには仰天しました。まぁ、アメリカですものね。

www.dialog-direct.com

受付を済ませてエントランスを入るとそこは…カラフルな風船がたくさんプカプカ浮いていて、ハロウィーンの飾り付けで賑やかなオフィス、あぁ~アメリカのコンタクトセンターだ!と懐かしい気持ちに。(センターエリアは撮影NGなので、写真はありません)その後、いくつかのセンターエリアを見学させていただき、SVさん達の紹介があったりと、リアルなセンター視察でした。

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※写真は、顧客を怒らせがちな、避けたい6つのフレーズについて説明する同社のMary氏

結構長いツアーだったので、文章にすると非常に長くなってしまいます。私が気付いた点のみになりますが、箇条書きしていきます。

<全体の雰囲気など>

・飾り付けが上手。風船などもただの遊びではなく、スキルの数を示しているのだとか。(コンタクトセンターでは何でも可視化することが大切です)

・皆がすれ違う廊下には、優秀なAgent(アメリカではオペレーターと言わずエージェントというのが一般的)のモノクロ写真が貼ってある。(自分の写真が大きく張り出されていたら、仕事への誇りとか、存在意義を感じられることでしょう)

・トレーニングルームやミーティングルームなど含め、日本と何か大きく違うことはない。ただ、アメリカは掲示物が多い。ミッションなども含め、視覚でアピールすることは得意だと思う。

<ブース内>

・日本でいうといわゆる”オープンスペースでの運営”が基本のようで、このブロックはA業務、こっちからはB業務、といったざっくりとした分け方をしていた。中には、競合同士の業務が並んでいたりと、日本ではあまり考えられない状況もあった。(日本のアウトソーサーも、オープンスペース、マルチ業務はありますが、その規模感が大きいと言えば伝わりますでしょうか…)

・SVやAgentの動きは日本の現場とそれほど変わらない印象。目で見ても、あぁ、OJT中だな、とか、質問に行っているなとか、ラウンドしているなとか、ほぼ変わらない。

 

さて、Dialog Direct社で私が最も印象深かったのは、<採用の工夫>です。アウトソーサーならでは、の点もありますが、応用できることもあると思いますので、ご参考まで。

<採用の工夫>

・業務への応募はIVRも利用している。その時に利用する応募時の質問に工夫を凝らしている

・Agentごとにカルテが音声を含めて一元化されている。もちろん、応募時の回答音声も含む。

・各業務で優秀なAgentが応募時にどのような回答をしていたかを分析している。また、その分析結果も含め、どのような質問をするとよいか、常にブラッシュアップしている。

・質問内容は、業務ごと(クライアント別)に分けている

→上記の考察ですが、日本でも採用面接時の質問に工夫をしているセンターもあると思います。まず、効率化のためにIVRを導入している点は良いと思います。また、その質問内容も適宜ブラッシュアップすることで、どんなことを聞けばよいか?また回答はどのようなものが望ましいか(言語)、また、どのような話し方をする人が良いか(非言語)のチェックが一気にできます。効率的です。カルテの一元化については、自社開発のソリューションツールを使っているようでした。

 

…と、少し解説するだけでこの長さです。他にもお伝えしたい点は山ほどありますが、Dialog Directについてはこのくらいで。次回に続きます。

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日本のコール品質管理は、世界に負けてない

先月の話で恐縮ですが、ビズ旅セレクトで主催された、こちらのツアーに”団長”としてアメリカ、Dallasに行ってきました。https://biztabi.jp/tour/369

ICMIのことはご存知の方も多いと思いますが、私自身初めてのICMIのコンファレンスへの参加でした。全体は3日間で構成されており(毎回変わります)初日はサイトツアーとしていくつか選択された企業のコンタクトセンターに訪問。2日目、3日目は改善事例などのセッションに参加するというものでした。

ざっくりとした所感ですが、「人」に関するマネジメント、悩みは万国共通のものがあるなというところです。文化や習慣の違いによるものもありますが、根底はみな一緒。そんなことを感じて帰国しました。

USのコール品質管理について、特別に日本が遅れているという印象もありませんでした。むしろ、細かな点では勝っている部分もあると思います。いっぽう、活動の数値化など、指標管理についてはまだまだの部分もあります。

今回は「これだ!新しいアイディア!」というものは発見できませんでしたが、それよりも、日本のコール品質管理について改めて考えたり、改善事例を発表したスピーカーと意見交換して同意したりと、改めて日頃から取り組んでいる活動の方向性などには誤りがないことの良い確認になりました。

さらに、日本での取り組みについては、やはり海外に対してもう少しアピールしていくべき、と強く考えています。もう少し英語をしっかり勉強しなおして、来年以降の目標として取り組んでいきます。

 

カスタマージャーニーマップを活用したモニタリングデザイン

月刊コールセンタージャパン10月号に、ロイヤルティを高めるモニタリング カスタマージャーニーマップを活用する(上)寄稿しました。

モニタリングについては長年携わっておりますが、項目を増やしたり減らしたり、さまざまな工夫をクライアント企業様とともに実施してきました。しかしながらどうしても会社目線での評価になってしまい、顧客対応のはずが顧客不在のモニタリング評価に疑問を感じていました。

カスタマージャーニーマップに出会ってから、これだと思いました。徹底的に顧客目線で、感情軸で推移するこのマップをモニタリングに活用できるはず。まだ取り組みは道半ばのところもありますが、考え方を皆さんにお伝えしたく、機会を頂き寄稿させていただきました。

ぜひお読みください。次回は実際の事例を掲載します。

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アジアのコンタクトセンターの状況は?

かなり久しぶりになってしまいました。

連休明け、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

さて私は3月にシンガポールで開催されたContact Center Week Asia 2016に参加してきました。昨年、一昨年と海外に出て先進事例を取り入れつつコール品質向上の仕組みをみなさんにご紹介していますが、その一環です。

カンファレンスは2日間でしたが、初日の午前中から非常に刺激的でした…シングリッシュに圧倒されたのではなく(正直ちょっぴりそれはありますがさておき)、その運営手法の理路整然さ、ゴール設定、それに向けてのKPI設定など、パワフルかつロジカルでした。プレゼンターは、インドネシアシンガポールバングラデシュ、UAE、マレーシアの国々の皆さんでした。ほぼ全員、センター運営に関わっている現場バリバリの皆さんです。

では私の専門であるコール品質に向けての取り組みはどうかというと、個別のモニタリング、フィードバックなどの細かな育成は私たちのほうが優れていると思います。しかし”本質的な”顧客対応品質の向上、例えば、カスタマージャーニーについてオペレーターに対して普通に教育したり、NPSを評価の一環に含んだりと、もう少し幅が広い…というより、本質的で包括的な育成が出来ているのです。

細かな点にこだわってマナーや謝罪、言葉遣いなど、その点についてのケアは日本が優れていると思います。その細かな点を活かして、もう少し包括的にコンタクトセンターにおける顧客対応とは何なのか?そこで完結するのではなく、顧客体験として考えた場合どのようなことになっているのか?など、視点を広げていき、そのうえで育成をしていく必要があると考えます。

カンファレンスの合間に何人かと必死に会話し「オペレーターにカスタマージャーニーマップを書かせたりしていますか?」と聞くも答えはほぼYes。様々な素晴らしい仕組み、どのように浸透させたの?と聞くと、この答えは万国共通で少々ほっとしますが「とにかく、コミュニケーションを現場と取る。何度も何度も話しあい、伝える」とのこと。

一方彼らももちろん問題を抱えています。例えば定着率が向上しにくい点です。ここはまだまだ工夫が必要な状況のようです。この辺りは、また日本とは状況が違うため一概には比較できませんが、とにかくすべてが進んでいて日本が遅れている、という事ではありません。

他にもたくさん感じた事、学んだ事はありますが、また何かの機会でお伝え出来ましたら幸いです。なお、当社のコンサルティングや研修にはこれらの内容を、日本のコンタクトセンターで利用しやすいようにカスタマイズして皆様にご提供しています。もしご興味がありましたら、いつでもご連絡ください。

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”おもてなし”を感じた良接客

12月24日です。メリークリスマス。

街はクリスマスプレゼントを購入するみなさんでごった返していますね。そんな中、私は、季節外れの「水着」を買うためにある百貨店に行きました。実は近々、常夏の海外に行く予定があるため、そのための準備です。

でも日本は真冬です、ということで、なかなかこの季節は水着が見つからないものです。百貨店に行けば見つかるかも?という淡い期待のもと、私は百貨店に行き、エレベーターを上がりとあるフロアにて売り場案内版を見ていました。するとほどなく男性店員の方がスッと近づき「何かお探しのものがございますでしょうか」と丁重に声をかけてくれました。

実はそこまでかなりあちこち別日も含めて探し回っていたので、助かった…という気持ちで「水着はどこに売っていますか」と伺いました。

すると「別館となりますがスポーツ用品を販売している場所がございます。水着があるかどうか確認しますので少しお待ちいただけますでしょうか」と丁寧に伝えすぐに目の前でそのスポーツ用品売り場に電話をしてくれました。

ここまでは普通でしょうが、驚いたのはその方の売り場への電話中の一つの会話です。

「今、水着をお探しのお客様がいらっしゃるのですが、いわゆるスポーツ水着ではなく、リゾートで着るような、そういう水着もある程度置いてありますか?」と確認していたのです。

ちなみに私は「リゾートに行く」という言葉は一切発していません。しかし「スポーツ用品売り場に行ってください」とだけ言われたら「スポーツ以外の水着も置いていますか?」と確認しようと思っていました。

過去の経験からの判断なのか、それとも、私の様子を見ての判断なのか、それとも時期的なもの(年末年始が間近)はわからないのですが、私としては”期待以上の対応をしてくれた”と大満足でした。

その後、その売り場に行き、気分よく買い物ができたのは、言うまでもありません。

補足すると、その「いわゆるリゾートで着るような水着」という確認が不要かもしれない、という観点もあると思います。その場合は、私が「それは不要」あるいは「別目的」と言えばいいだけの話です。ポイントは「もしかしたらそういう用途かな?」と自らプロアクティブにアプローチしていくことが重要です。電話対応でもぜひチャレンジしてほしいと思います。

Customer journey mapとCall quality monitoringの融合

コールモニタリングシートは、単なる言葉遣いや言い回しのエラーチェックから「お客様のニーズを引き出すための」アプローチや、それに対してきちんとオペレーター(会社)が応える事ができているか、という目的が果たせているか?という役割に変遷しつつあります。

ここ数年私ももちろん、上記に取り組んできましたが、今一つすっきりしない点がありました。それは、私のモニタリングメソッドでもまず一番に伝えている「顧客の目線で」という点です。この部分、多くの皆さんが苦労されている点かと思います。頭ではそうしなくてはならないとわかるけれども、されど俯瞰は難しい。

そこで、ようやくではありますがCustomer journey mapを活用すればよいのではないか?と気づきました。フォーマットは現在作成中ですが、数か月後には実運用できるレベルになると思います。

劇的な変化というよりは、可視化するための一つのツール、といったところでしょうか。また、形になってきましたら、ご報告します。

ありがとうございます、ありがとうございます、ありがとうございます、あり…

久しぶりの更新です。

ここ数日、私用で複数企業のコールセンターに電話をかけて色々な手続きをしています。対応はとても丁寧な方ばかりです。

しかし、いずれも電話をかけ終わった後に、ぐったりと疲れました。対応は丁寧です。ですが、必要以上に丁寧、丁重過ぎるのです。

私はあるカードを紛失しました。そのためとあるコールセンターに連絡をしたところ、大変丁寧に対応して下さったのですが、以下のような現象となりました。

私(何か聞かれて答えられない時)「忘れちゃいました、すみません」

オペレータ「とんでもないことでございます

私(聞かれた個人情報について回答する)「…です」

オペレータ「ありがとうございます

また、別パターンとして

オペレータ「私が今回のお手続き内容について復唱いたします」

私「はい」

オペレータ「ありがとうございます

つまり、何かを伝えると「ありがとうございます」を必ず言い、私が何か謝罪や謙遜をすると「とんでもないことでございます」と必ず言って下さいます。

モニタリングスコアとしては100点でしょうね。

でも、私は、ちっとも嬉しくありませんでした。疲れました。

それで私は最後にはどうなったかというと、何かこちらから謝辞や謙遜、謝罪などの言葉を挟むと「ありがとう」「とんでもないことでございます」の応酬があるからもう余計なことは言わないようにしようと固く誓ってしまったのです。電話の終わり頃は、ほぼ「はい」しか言わないようにしてしまいました。

ただし、気持ちとしては、大変面倒な手続きをお願いしたので、きちんとお礼をお伝えしたかったのです。とても残念でした。

今回特にお伝えしたいのは、コールセンターの対応はとかく「ありがとうございます」を言い過ぎているのではないか、ということです。

ありがとうを言うな、ということではありません。お礼の意味を考えてメリハリをつけることが大切です。

また「何らかの言葉を発したら謙遜する」などの自動的な反応が出来ることも素晴らしいのですが、顧客の状況に合わせてこちらも臨機応変に対応できるようにしましょう。あわせて、モニタリングシートの項目をフレキシブルなものに変更することをお勧めします。