insight's diary

インサイト大西です。不定期更新です。よろしくお願いします。http://insightcorp.jp

コンタクトセンター人材に特化した 「ロールプレイ型録画面接による能力評価サービス」

お知らせです。株式会社レバロの豊富な録画面接のノウハウをベースとして、コンタクトセンターの特にノンボイス人材の採用、配置をサポートするためのサービスを共同開発しました。

当社では、ノンボイスの品質管理にも力を入れています。ノンボイスの顧客対応経験という意味では遠い過去になりますが、1998年からチャット対応を現場でオペレーションしていました。もちろん、その後メールのオペレーションもしています。メールのみの対応をするセンターの立ち上げ・運用の経験もあります。

コロナ禍以前からノンボイスチャネルは注目されていましたが、昨年からは注目から実運用に大きく転換した企業が多くあります。

ノンボイス(メール、チャット)対応をするための適正人材は、ボイスコミュニケーション(電話)とは少々違った点があると思っています。根本の考え方、たとえばCXに対してのスタンスや考え方の理解、思考などは共通しています。ただしノンボイスについては、適性が少々異なります。これは通常仕事をする中でも”あの人は会議での会話はきちんとできるけど、議事録は書けないよね…”や”実際話すといい人だけど、メールはかなりキツイよね”など、明らかに向き不向きがあります。
ノンボイス人材をよりマッチさせるためのサポートサービスです。皆様のお役に立てれば幸いです。

www.atpress.ne.jp

新年のご挨拶(2021年)

明けましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

思いもよらない日々を送ることになった2020年が終わり、2021年になりました。昨年の手帳をめくり、1月、2月のスケジュールを見ていると、いろいろな思いが噴き出します。

このような形での新年度を迎えるとは思いもしませんでしたが、当社は2021年1月から第15期に入りました。日頃、お世話になっている皆さまに心からお礼申し上げます。

いつも通りの日常が戻ることを切望しますが、過去を振り返ったり、穏やかな日常が戻ることを願ったりしているだけでは前進がありません。思考を柔軟に、できることを、できる範囲で安全に進めていく、という考えのもとに、今年も邁進する所存です。

本年の現時点での方向性についてお伝えいたします。

 

【応対品質向上のためのコンサルティング】

テレワーク、オンサイトでの通常勤務いずれも必要な応対品質向上に向けた活動を今年度も支援します。勘違いされがちですが、当社では過剰に丁寧な応対や過剰にへりくだった応対を全く推奨しておりません。極端に言えば、言葉遣いは重視しません。時代にマッチした、丁寧かつ顧客のニーズに速やかに応えるためのコミュニケーションスキルを向上させるための支援をします。

電話応対の品質向上:カスタマーエモーショナルマップを活用し、本質的にCXを理解したカタチでの応対品質管理、モニタリングシートの改編、評価方法の変革、コーチングの実践のノウハウを精力的に進めていきます。

ノンボイス(メール、チャット等)の品質向上:運用、品質の両面でまだまだ手探りという状況ではないでしょうか。タッチポイントの目的設定を皮切りに、文章作成スキル向上、応対品質の定義などが急務かと思われます。電話応対とは異なるステージの課題に対して、各企業にとって適切な支援をします。

上記は、コンサルティング、研修、スポットでのアドバイス等々ご要望に応じた形で支援させていただきます。

 

【ミャンマー・ヤンゴンでの活動】

日本におけるコンタクトセンターの応対品質管理ノウハウをミャンマーのみなさんにも伝えたい、という強い気持ちがあり、数年前からインサイトミャンマーを設立するための準備を進めております。

2021年にミャンマーとの往来が自由になる状況になることを願っておりますが、それを待つだけでは何も進みません。従い、日本におけるコンタクトセンターの応対品質ノウハウを少しずつオンラインで展開していきたいと考えております。ミャンマーでも急速に通信インフラの改善が進んでおり、オンラインでの研修等も実施が可能になっています。この状況を活用し、まずはサービス品質の重要性の理解をしていただけるような働きかけるような活動をしていきます。

 

2021年が皆様にとって、すばらしい一年でありますように。

インサイト株式会社 大西 美佳

小さな靴屋の対応から学んだこと

近所の商店街にある、小さな靴屋が閉店する。閉店の貼り紙を見て、即座にある人に連絡したくなった。この店の店主に塩対応されたある人に。

その店、私は特に好き嫌いもなく日々店の前を通っていた。特段興味もなく、何の感情もなかったが、私の保険を担当してくれている方が、あるとき商店街の話になったとき、教えてくれた。

「十数年前、小雪のちらつく中、商店街を片っ端から飛び込み営業してました。商店街に靴屋がありますよね。その店主に”足跡がついて店の床が汚くなるから入ってくるな!”と言われたのは、今でも覚えてます」

ひどいこと言うなと思い、それ以来、その靴屋の前を通るたびにピカピカに磨かれた床…たしかにピカピカにキレイだった、、を眺めたり、仏頂面の店主をチラ見したりしていた。私がその店をチラ見はしたが、入ることも、買うことも絶対になかった。趣味じゃないということではなく、強く思っていたのは「そういうスタンスの店には、びた一文払いたくない」ということだった。

でもこの話は示唆に富んでいると思う。私が店主だとしたら、泥のついた靴で飛び込み営業をしてくる人を追い払いたくなる気持ちもわかる。床をピカピカにしているのだから、掃除の必要がある。でも、ものの言い方は変えられるはず。

「今日は雪が降ってるからそこでよく靴底拭いてよ」

「悪いね、保険は入るつもりないから、入口までいいよ」

この店主を責めるつもりはないが、店主だって営業職であり、サービス業ではないか。たぶん、商店街の靴屋なら、近隣の学校に靴を卸したりしていたのではないだろうか。そこだけ平身低頭、礼儀正しくすればいい?いやいや、そんなことはないだろう。

いつだれがどこでお客様になるかは、わからない。そのことはみなうっすらと頭の中にあるのに、自分がちょっとでも上になると、横柄な態度をとる。でも、人はどういうつながりがあるか、分からないもの。自分の行いがどのように影響するかをきちんと考えて行動したい。

あと一点、口コミの怖さだ。昨今はSNSで炎上することも多いが、今回は近所の商店街のとある店についてのリアルな口コミが考えられる。もし私がご近所と噂話をするならば、当然この靴屋の話は伝える。そしてその人が伝える…近隣の学校の親御さんの耳に入る、学校にうわさが伝わる…など、そういうことまで考えられないものか。

この話は、自戒も込めて書いている。私も含めて誰もが「こうあるべき」論を持っていて、それを他人に押し付けてしまうことがある。それそのものは悪くないことだと思うが、立場を利用して上からものをいうことや、必要以上に諭すことが正義だとは思わない。どうも、近年こういった価値観の押し付けや権力の押し付けに遭遇することも多々あり、辟易することも増えた。

せっかく年末だし、今年はコロナ禍で平等にいろんなことに自由が利かなくなりイライラする人も多かろうと思うが、振り返りの機会になればと思い記事にした。もしここまでお読みいただいた方がいらっしゃれば、公私ともに、互いを尊重できるようなコミュニケーションをともに目指していきましょう。

コンタクトセンター、エージェントの役割はプロダクトにより異なる(再考のお願い)

皆さんもテレワークの割合が増えていると思いますが、私も相当増えております。

今はどなたにお伺いしても「在宅勤務のほうが大変」という声が増えてきています。出勤、通勤電車を利用しないこと以外はなかなかつらいと。何がつらいかというと、椅子、デスクを含めて会社のものはなかなか良いものを利用しているのだと分かったから、、などなど、理由はそれぞれですが出勤も悪くないものだとそれぞれが思い出してしばらく経過したころだと思います。皆さんいかがお過ごしでしょうか。

さて、私もZoom等はかなり初期から利用していましたが、手持ちの小さなタブレットPCでは限界が近づいてきました。そのため、またまた小さいサイズですが、自宅用に利用するラップトップを購入しました。もちろんネット通販で購入。あっという間に届いた便利ツールですが、なんと困ったことに、電源ケーブルが使えたり使えなかったりします。初期不良は面倒だから嫌でお断りです。だましだまし利用しましたが、やはり安定しません。充電してくれません。仕方なくコールセンターを利用しました。そこからいくつかの学びがありました。

1.販売店(ECサイト)に電話…必要時間約20分

とりあえず販売店のコールセンターに電話。Busy(ツーツー)返しばかりでほぼかかりません。15分くらいリダイヤルを繰り返しやっとIVRに入れてもらいました。事情を話すと「メーカーに問い合わせてください」そうですよね。

2.メーカーに電話…必要時間約20分

保証書を見たら連絡先がしっかり書いてありました。電話は一度でつながりましたが、少し待ち時間あり。担当者の(比較的)きびきびとした対応で、あっという間に電源ケーブルをお送りするということになりました。本人確認等もすんなり。さすがシステムがきちんとしているなあと感心。ただ、ここまで私は何時間かメーカーの初期不良のために時間を仕方なく企業側に提供しているのです。そしてそれを「申し訳ありません」と平身低頭、応対してくださっているエージェントさんも大変な仕事です。ここで怒り出す馬鹿もいるでしょうし、つくづく、コールセンターやエージェントに対してその役割をしっかり理解し、正しい対価を支払っているのかな?と考えさせられました。

 

電話はたったの2回ですが、電源ケーブルの初期不良により私は以下の時間を割いていますし、今後、割くことになります。

・WEBでFAQ等参照

・販売店に電話

・メーカーに電話

・正常に稼働する製品が届くまでの期間(5日程度といわれています)

・配送品の受け取り、もし私が不在なら再配達やりとり等

私が望んで欲しいものであれば当然の手間でしょうが、これは完全にアンラッキーなパターンです。正常な製品を受け取っていれば、これらの時間は必要ありませんでした。メーカーの方は「ある一定の割合で不良品は出る」「交換に速やかに応対している」と思われるでしょうが、私も理屈としてはわかりますが、それは自惚れです。はっきり言って面倒です。

と、ここまで思う人間の応対をするエージェントも気の毒ですし、私も何も言えないわけです。私の応対は、応対品質の向上のために録音されているようでしたが、活用されるかどうかもわからない。そして、コールリーズン「初期不良、交換」の1カウントをされて、経営にフィードバックされるのです。これだけのストーリーを抱えながらも、残念ながら企業側としての扱いは恐らく「初期不良、交換」に1カウントを加えたにすぎません。切ない。

最近、ノンボイスチャネルの設置目的をしっかり考えてと私はしきりに伝えています。でも、ボイスも同じです。何の目的があり、顧客にどのような影響を与えるものなのか。そしてエージェントはどのような役割なのか。本来は本社機能がひっきりなしに鳴る電話を取るべきところを、コールセンター組織を内製、外注問わず設置するのであればその役割をしっかりと精査し、見合った権限移譲、処遇をお願いしたいものだと心から思いました。センターの運営はこうすべき、云々、指標やKPIを識者の言う通りに設定しがちだと思いますが、それは参考値として考慮し、各社のプロダクト、コンタクトセンターの役割、顧客の背景、気持ちなどもしっかり考慮して、各社なりのセンター運営、特にエージェントに対しての処遇を含めたケアをしていただきたいと心から思う次第です。

月刊コールセンタージャパン2020年9月号の記事にコメントしました

月間コールセンタージャパン2020年9月号
<Focus/コールセンター>
モニタリングは完全自動化できるか?!
“あたたかみ”の評価と指導は人手の聖域

こちらにコメントさせていただきました。ありがとうございました。
文中にある「エモーショナルマップ」は時間をかけて作り上げて、ほぼ熟成した状態になっています。もちろん現段階で終わりではありませんし、これからも進化を続けますが、これは私にとって非常に大切な考えかたと技術です。
このエモーショナルマップ、IT技術を活用してさらに発展していくものと期待しています。これからが楽しみです
しかし、コーチングはいくら技術が優れていても必須です。コーチングに集中するため、自動化できる部分は積極的に実施していくべきだと考えます。

エモーショナルマップを活用したモニタリングの仕組み、コーチングについて、ご興味があればいつでもご連絡ください。
エッセンスが学べるのは、リックテレコムの「品質向上のための“処方箋”を学ぶ~モニタリング&フィードバック実践講座」です。この講座を受けられて、自社内で実践されているセンターも多いです。
https://callcenter-japan.com/campus/1801.html

テレワークにおける応対品質管理(2.モチベーション管理)

テレワークでのSV、オペレーターのモチベーション管理は各社の運営状況(テレワークの割合や頻度)によって多少異なります。また、運営における工夫のしどころは、こちらだと思います。以下2つのポイントを中心としていただき、各社で取り組みを考え、実行していただく土台になればと思います。

①存在意義を伝え、実感してもらうための取り組みを継続する

オペレーター業務はオンサイトの集合型であっても、顧客対応は非対面ですし、業務そのものは密室の1対1で行っているようなものです。つまり、100席のセンターであれば、100のお客さま応対が100の個室の中で行われており、その中身は(聞かない限り)見えない、ということです。それぞれ何が起きているのかを把握するために、リアルタイムモニタリングに加えて、SVの目視による状況把握、適切なコミュニケーションを取ることが重要です。コミュニケーションを取らなければ、オペレーターにとっては一人で仕事をして、誰のサポートも受けず(最小限の質問に対する回答はあるでしょう)、何事もなく帰宅する…というルーティンになります。これを毎日機械的に繰り返し、みんな働く社会人なんだから、それぞれが勝手に存在意義を感じろというのは少々乱暴です。理由は上記の通り、少々変わった職場(個室対応)だからです。成果を目に見える形で見せる、表彰する、給与に反映させる、そして大切な存在であることを上司やリーダーから常に言われているという状況で初めて従業員満足度の一部に寄与するでしょうし、離職率の低下にもつながってきます。

ここで一つ重要な確認です。序章でも書いた通り、これまでのオンサイト運営でもSVが適切に、オペレーター一人ひとりに対して存在意義を感じてもらえるような仕組みづくりや、コミュニケーションを取るような運用はできていましたか。また、SVが本来のSV業務に専念できるように、業務整理を常にしていましたか。まずはじめにこの点から再確認をお願いします。オンサイト運営で出来なかったことが、テレワークになって自然に出来るようになることは、あり得ません

長くなりましたが、以下は上記の点がクリアできているという前提で記していきます。

テレワーク勤務になると、個室対応の場所が自宅に移動するということです。もともと見えないものがさらに見えなくなると感じてしまうのは、SVの目視による状況把握ができなくなることが大きいとのではないでしょうか。それを補完するには、とにかくコミュニケーションの頻度を密にすることしかありません。コミュニケーションには3つの種類があります。

  1. 第1領域(緊急かつ重要)コミュニケーション
  2. 第2領域(緊急度は低いが重要)コミュニケーション
  3. 第4領域(緊急でも重要でもない)のコミュニケーション

時間管理のマトリクスについてはリンクを参考にしてください。コールセンター業務は第1領域の連続です。ここでコミュニケーションを取らざるを得ないため、SVは概ね「オペレーターさんとコミュニケーションを十分に取っています」と言いますが、細分化して棚卸していくと、99%、第1領域です。

重要なのは第2領域です。第2領域の時間を大切にしてください。SVは予定調整し、毎日第2領域の時間を作り、コミュニケーションを取ってください。なるべくカメラオンにした状態で個別に会話が出来ると良いでしょう。時間は短くても良いです。出勤時には毎回必ず時間を作ること、継続することが重要です。日々の課題管理、進捗、業務に対しての不安のヒアリングなど、項目をしっかり定めて効率的に実施してください。その中で、ポジティブなフィードバックをオペレーターに与えることも忘れないでください。内容など細かな点は、次回述べることにします。

SVのモチベーション管理も忘れないでください。SVも同様にマネジメントがケアを必ずしてください。SVに対して自己犠牲的な考えを強いるセンターがまだあることに深く悲しみを感じます。SVの業務形態にもよりますが、SVもテレワークなのであれば、毎日時間を取ってください。テレワークとオンサイトのハイブリッドなのであれば、出勤時には必ず時間を取り、立ち話ではなく、個別に時間を取り、課題解決や進捗その他についてのコミュニケーションを必ず実施してください。

 

②必要以上の負荷やプレッシャーを与えない

上記①が主軸になりますが、②も気を付けなくてはならない点です。テレワークだから余計に厳しくしなくてはならないような気持ちは分かります。しかし、ようやく最近になって言われるようになってきましたが、いわゆる不正行為はどんなに環境を盤石に整えても、その人間性により発生してしまうことがあります。大変残念なことですが、これは犯罪行為ですので、予防には限界があると思います。

性悪説で運営ルールを決めなくてはならないことも理解できますが、大半のオペレーター、SVは大変真面目に業務をしています。そのことを理解し、過度な監視、過度なプレッシャーを与えることは推奨できません。過度な監視や拘束は、自分は信じられていないのだなという思いを与えます。これはその人を否定することにつながります。過度なプレッシャーも同様です。信頼されていないのだな、という印象を持ってしまい、自己肯定感は極端に低くなるでしょう。

マネジメントがしっかりとタスクの進捗管理をすることで上記は簡単に払拭できるはずです。テレワークは、より一層マネジメントスキルの有無を浮き彫りにすると言っても過言ではないでしょう。

 

【コロナ禍後】については、実績に応じた希望制を取り入れるようなテレワークを実施すると良いでしょう。

実際に、ニューヨークでコンタクトセンターを運営している企業が、成績優秀者に対して褒賞の一つとしてテレワークを許可していました。出勤のストレス、出勤時間短縮になり、それを維持したいためにエージェントは頑張るそうです。もちろん、目標をクリアできなければ再度出勤することになります。

日本でもコロナ禍前からテレワークを実施しているセンターがあります。こちらもやはりある程度の成果を出したオペレーターのみが許される特権、という扱いをしていました。シフト休の優先権などと同様に、テレワークを働き方の選択肢を与えるということでの褒賞の一つにしても良いでしょう。もちろん、全員がテレワークを希望するとも限りませんので、そこは個人に選択をしてもらうことになります。

テレワークにおける応対品質管理(1.応対品質管理)

以下は、ボイスチャネル(電話)の応対品質管理について言及します。

テレワークにおける応対品質管理ですが、これまでのオンサイト運営同様にモニタリングを必ず実行してください。

コールセンターの商品は応対そのものです。そのため、品質管理をせずに顧客との応対をオペレーター、エージェント任せにしていることは、本来あってはならないことです。もちろん100%のモニタリングは難しいですが、品質管理の体制有無は長期的な応対品質を左右します。このような品質管理をせず、顧客からの応対に関するアンケートやNPSのフィードバックだけでその応対内容を評価することはあまり推奨できません。

これまではモニタリングの頻度が多少低かったとしても、オペレーターが応対している声や様子を目で見たり、漏れ聞こえてきたりはしたはずです。もちろん品質管理としてはそれでは不足していますが、数パーセントは役に立っていたはず。それが全くなくなりますので、本来オンサイト運営でも重要タスクであるモニタリングを実行するための体制を整えざるを得ないのです。

実行するにあたり、以下2点のポイントを考慮していただきたいと思います。

①テレワーク環境のゴール設定と適切なシステム導入

まず、システムはモニタリングが出来る環境、通話録音ができる環境、いわゆるオンサイト運用と同じ体制を整えてください。今はこちらの部分に注力されているセンターも多いでしょうし、様々なウェビナーが開催されています。

この時に、貴社のセンターがどのようなテレワークの環境や体制を作りたいのか、作るべきなのかのゴール設定を必ずしてください。他社事例から学んでも良いでしょう。しかし、自社の環境がどうあるべきか、コロナ禍で顧客のサービスレベルをどうするのか、そのような中でどのレベルのサービス品質を担保すべきか、ということをまずしっかりゴール設定してから応対品質管理を進めてください。

②モニタリングリソースの確保

SVがモニタリングをきちんとできる環境を整えてください。多くのコールセンターSVは本来SVがすべき業務以外のタスクを抱えすぎています。

SVの役割は以下の3つであるとかねてから考えています。

  1. コール品質保持・向上のためのマネジメント

  2. オペレーターの育成・人的マネジメント

  3. センターの効率的稼働のためのマネジメント

これらはテレワークになっても何ら変わりありません。むしろテレワーク環境下では、これらの3つをメインにできるよう、SVの業務整理を積極的にマネジメントがSVと共に実行してください。SV業務の棚卸をして、どのような業務を実行しているのかの整理、優先順位を付けて業務を割り振る等の管理が先です。SVの業務を把握しないまま、すべてをテレワーク、または一部テレワークにした場合の応対品質管理には、長期的に歪みが出て、結果的に経営にまで悪影響を及ぼす可能性もあります。応対品質管理は短期的に悪影響が出にくいですが、長期的には深刻な問題を起こす可能性が高いことを改めて認識していただければと思います。

※現時点ですべきことという観点で記しています。今後品質管理についての具体的な内容は追記していく予定です。